陸自崎辺分屯地が開設 機動団1年、拠点強化進む

 陸上自衛隊崎辺分屯地が26日、長崎県佐世保市崎辺町に開設した。離島防衛を主任務とする水陸機動団の隷下部隊、戦闘上陸大隊を中心に置かれ、水陸両用車の操縦訓練や空包の射撃訓練をする。機能強化のため機動団はこの日、約300人増強され、約2400人になった。発足から27日で1年を迎え、離島防衛の拠点としての態勢づくりは着々と進んでいる。

 分屯地は約13.4ヘクタール。相浦駐屯地(大潟町)に暫定配備していた戦闘上陸大隊や後方支援大隊、水陸機動教育隊の計約160人を配備。戦闘上陸大隊が運用する水陸両用車8両を置き、陸上訓練場や整備場、浸水がないか確認する「入水点検槽」などの施設を備える。操縦のシミュレーター施設や上陸訓練場などの整備も計画されている。

 記念式典には、隊員や関係者ら約250人が出席。戦闘上陸大隊長で初代分屯地司令の増山哲治2等陸佐が「島しょ部を含む、わが国の防衛の実効性を向上させることは必要不可欠。世界に冠たる水陸両用車部隊のメッカとなるよう全力を尽くす」と述べた。

 この日は水陸両用車の走行や高さ約90センチの障害を越える訓練も公開された。

 水陸機動団は「日本版海兵隊」とも呼ばれる。中国による海洋進出を背景に南西諸島などの防衛強化を図るため、相浦駐屯地に昨年3月発足。県外にも戦闘上陸大隊の一部や特科大隊などを置いている。

開設の記念式典に臨む隊員=佐世保市、陸自崎辺分屯地

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