迫る 県議選 平成最後の戦い・7 松浦市区(定数1) 保守分裂 双方に危機感

 三つどもえだった昨年2月の県議補選で初当選した高橋勝幸と、380票差の次点で敗れた無所属新人の石本政弘による一騎打ちの公算だ。
 自民公認で臨む高橋、片やかつて加藤寛治衆院議員(長崎2区)の秘書だった石本。2人の事務所には、自民県連会長でもある加藤やほかの自民国会議員からの必勝を祈願する「為書き」がそれぞれ貼り出されるなど、保守分裂の様相を見せる。加えて、自民県議団が2会派にたもとを分かつ中、高橋は「自民」に所属。一方の石本は最大会派「自民・県民会議」所属の県議と近い関係にあるとされ、県政界の主導権を争う“代理戦争”との見方もある。
 高橋陣営は「1年とはいえ現職であり、自民公認。元市議会議長も務め、政治経験、実績がある。今後も県政とのパイプ役になる」と即戦力をアピール。石本陣営は「県北・松浦を豊かに!もっと元気に!」をキャッチフレーズに掲げ、地域のイベントや後援会の集まりに小まめに顔を出す“草の根選挙”で挑む。
 集票の原動力になる保守系の市議の支持も割れている。当選には最低でも6千票前後の得票が必要とみられ、両陣営とも「高いハードル」と危機感を漂わせる。
 鍵を握りそうなのが、保守票を奪い合う混戦となった昨年の補選で、最下位だった候補者が得票した約2300票の流れだが、「支持者が複雑に入り組んでおり、全く読めない」(関係者)。保守分裂の中、非自民を中心に投票率の低下も懸念され、両陣営は「とにかく地域をしっかり回って票を掘り起こすしかない」と躍起だ。=文中敬称略=

◎立候補予定者

 ▼松浦市区
高橋 勝幸 69 自現(1)
石本 政弘 64 無新

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