浦上教会展示に協力を 関係者、東博に貸与要請

 長崎市本尾町のカトリック浦上教会の関係者が19日、東京都台東区の東京国立博物館(東博)を訪ね、11月下旬に予定されるローマ法王フランシスコの来崎に合わせて、東博が所蔵する浦上の潜伏キリシタン関連資料を浦上教会で一時展示できるよう協力を求めた。面会は非公開。出席者によると、東博側は、教会が展示・保管が可能な環境か調査する考えを示した。
 東博は、幕末のキリシタン弾圧で長崎奉行所が没収したマリア観音像や踏み絵、絵画など284件を所蔵。このうち一部は長崎市の長崎歴史文化博物館(歴博)に長期貸与している。
 教会関係者は、所蔵品を可能な限り浦上へ“里帰り”させるのを目標に、この日はその「第一歩」(関係者)とした。本県から浦上教会の久志利津男主任司祭、県、長崎市の担当者らが訪ね、東博の井上洋一副館長や文化庁の担当者らが対応した。
 長崎県側は、法王来崎に合わせ歴博で潜伏キリシタン関連の企画展を開き、法王が浦上教会を訪ねることになれば、直接見てもらえるように教会でも一部を一時展示することを提案した。東博側は、実現可能性を探るための協議や調査をする考えを示したという。

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