トンネル工事で減渇水 新幹線現場 近くの井戸21カ所 大村市議会一般質問

 九州新幹線長崎ルートの木場トンネル工事現場に近い大村市内の木場地区と大佐古地区の21カ所で、井戸の水量が減少したり枯渇したりしていることが6日、分かった。同日の市議会一般質問で、村上信行議員(社会クラブ)に増田正治都市整備部長が答えた。
 木場トンネルは同市三城町と岩松町を結ぶ総延長2885メートル。海抜マイナス12メートル付近や、地上から約10メートルの浅い区間を通過する。2014年2月末に着工し、20年3月末に完成する予定。トンネル内からは一日当たり最大で5千トンの地下水がわき出ているという。
 市によると、16年3月に木場地区の住民が、生活用水などで使う井戸の水量が減ったことに気付き、市に相談。大佐古地区からも昨年夏ごろに同様の相談があった。市は工事発注元の鉄道建設・運輸施設整備支援機構と共に現地を確認し、上水道からの分岐や給水車での配水などで応急対策をしているという。
 増田部長は「トンネルが完成した後、地下水の復元状況を調査し、効果的な対策を行う」と答弁。長崎新聞の取材に対し、同機構は「井戸の水量減少はトンネル工事に起因している可能性が高い。引き続き調査を続ける」とした。

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