【動画】島原半島・庄屋の町 酒蔵など発展、有家の町並み

かつて庄屋の町として栄え、明治や大正期の建物が点在する有家の町並み=南島原市

 雲仙の清らかな伏流水を生かした酒やみそ・しょうゆ、そうめんづくりが盛んだった南島原市有家町。明治、大正期にたくさんの蔵が建てられ栄えたことから「庄屋の町」とも呼ばれるようになった。
 中央奥の茂みに囲まれた温泉神社。ここから南へ延びた参道の付け根近くの白い看板は1918(大正7)年創業のみそ・しょうゆ製造業、喜代屋の目印だ。この店など蔵のある五つの店を中心にした町歩きイベント「ありえ蔵めぐり」は10年以上続く。今年も今月中旬にあり、ほろ酔い気分で試飲を楽しんだり、地元産品などを品定めしながら散策する観光客で、町は活気にあふれた。
 喜代屋の奥の茶色の煙突は、築約130年の浦川酒造。蔵めぐりでは「弐之蔵」を務め、大正期の華やかなひな人形が人気だ。6代目の長池孜代表(71)は「会員制交流サイト(SNS)に写真を投稿する若者も多い。イベントを地道に続け、有家特有の景観や文化を感じてほしい」。

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