護衛艦しらぬい就役 三菱長崎造船所で引き渡し式

 三菱重工業長崎造船所で建造された護衛艦しらぬい(5100トン)が27日、防衛省に引き渡され就役した。ガスタービンとモーターによるハイブリッド推進方式を採用した、あさひ型の2番艦。海上自衛隊で初めて潜望鏡探知レーダーを導入した。

 海自によると、しらぬいは全長151メートル、幅18メートル。最大速力30ノット。新型レーダーは潜水艦が海面に短時間しか露出しない潜望鏡を探知でき、対潜能力が向上した。低速時にモーターだけで推進し、高速時にガスタービンと併用することで燃料消費を抑えた。哨戒ヘリを2機搭載可能。建造費743億円。

 高須賀政信艦長ら約220人(うち女性約20人)が乗り組み、青森県の大湊基地に配備される。あさひは佐世保基地配備。

 長崎市飽の浦町の同造船所本工場であった引き渡し式には約700人が出席した。乗艦した乗組員は国歌の演奏に合わせて、授与された自衛艦旗を艦尾に掲げた。村川豊海上幕僚長は「島国の日本の平和は自分たちが守るという自覚を持ってほしい」と訓示した。

 海自によると現在、建造中の護衛艦はない。防衛省は2021年度までに、掃海機能を備えた3900トン型を8隻連続発注する方針。このうち2隻を昨年11月、三菱重工業が受注し、長崎で1隻建造する。2隻目は下請けの三井E&S造船(東京)が岡山県で造る。

防衛省に引き渡された護衛監しらぬい=長崎市、三菱重工業長崎造船所

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