岩屋防衛相が佐世保視察 水陸機動団の崎辺分屯地運用で

 岩屋毅防衛相は23日、長崎県佐世保市を訪問し、陸上自衛隊相浦駐屯地で離島防衛を主任務とする水陸機動団の訓練を初めて視察した。3月末までに開設する「崎辺分屯地」(仮称)では、「水陸両用車の実弾射撃を伴わない地上操縦訓練を想定している」と明らかにした。

 防衛相の長崎県内訪問は2017年3月以来で、昨年3月の機動団発足後は初めて。今回の視察は部隊の現状確認などが狙い。水陸両用車が水中に沈んだ想定で隊員が緊急脱出する訓練などを見守った。

 岩屋氏は視察後、報道陣の取材に応じ、水陸両用車の実弾射撃を伴う本格的な地上操縦訓練を「近辺の演習場などでする予定」と説明し、崎辺分屯地では実施しない考えを示した。海上訓練は「検討中」とし、「練度の維持、向上に不可欠」と強調。「地元に丁寧に説明し理解と協力を得ることが重要だ」と述べた。

 岩屋氏は朝長則男・佐世保市長と面会したほか、海上自衛隊の護衛艦を視察。「佐世保基地は南西海域を担う位置にあり、わが国の海上防衛で重要な拠点だ」と訓示、隊員を激励した。

水陸機動団の訓練を視察する岩屋防衛相(右から4人目)=長崎県佐世保市大潟町、陸自相浦駐屯地

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