【平成の長崎】「世代超え 心一つ」 ねんりんピック長崎2016開幕 平成28(2016)年

 「生きる喜びをともに分かち合う大会とします」。水泳に出場する緒方徳光さん(69)=佐世保市=は本県選手団を代表し、マラソンの杉本美津子さん(71)=長崎市=と諫早市内の小学生2人とともに「みらい元気ながさき宣言」。力強い声を会場いっぱいに響かせた。
 熊本県山鹿市出身。水泳は中学校で始めた。3年生の時にはリレー種目で日本一になったこともある。あれから半世紀以上。「人生を歩んできたというより、泳いできたように感じている」と振り返る。
 15歳で海上自衛隊に入隊。広島県での4年間の教育期間は、水泳の特別訓練班に選ばれた。五輪を目指している選手との差は縮まらなかったが、苦しい練習を乗り越えた経験がその後の人生の糧になった。
 佐世保教育隊の時に迎えた1回目の長崎国体(1969年)では200メートルバタフライに出場し、6位入賞。青年種別(当時)、そして本県選手団としても県勢初の優勝を飾った。仲間と一緒に両手を挙げて観衆に応える写真付きの記事は額縁に入れて、今も大切に床の間に飾っている。
 ねんりんピックは5回目。これまでに得意のバタフライで6個の金メダルを獲得している。「培ってきた技術と力を存分に発揮すれば結果はついてくる。長崎国体の時のように、また笑顔で写真に納まりたい」。そう語ると、水泳会場の長崎市民総合プールに最終調整に向かった。

「みらい元気ながさき宣言」をした緒方さん(左)=トランスコスモススタジアム長崎

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