【平成の長崎】水陸機動団 相浦に発足 陸自、離島防衛強化へ 平成30(2018)年

 離島防衛が主任務の専門部隊「水陸機動団」が27日、長崎県佐世保市の陸上自衛隊相浦駐屯地に発足した。中国による海洋進出を背景に、南西諸島などの防衛体制強化を図る狙いがある。この日陸自に新設し、全国の部隊運用を一元的に担う「陸上総隊」の直轄部隊となる。

 水陸機動団は、相浦駐屯地にあった西部方面普通科連隊を母体としている。県外部隊も含め約2100人で発足。将来的には3千人規模となる見通し。他国から侵攻を受けた島を奪い返すことを任務とし、「日本版海兵隊」とも言われる。

 このうち市内では、相浦駐屯地に団本部と二つの水陸機動連隊などを、崎辺地区に水陸両用車(AAV7)を運用する戦闘上陸大隊をそれぞれ置く。ただ、崎辺地区では分屯地の建設工事が遅れており、当面は相浦に暫定配備する。

 陸上総隊は、海上自衛隊の自衛艦隊、航空自衛隊の航空総隊の位置付けで、防衛相直轄で運用される。米軍や海空自衛隊との連携、調整もしやすくなる。陸上総隊の初代司令官には中央即応集団司令官だった小林茂陸将が就く。

 相浦駐屯地では27日、編成完結式があった。着任に当たり、水陸機動団の初代団長、青木伸一陸将補は隊員約1700人を前に「世界に冠たる水陸両用作戦部隊」との目標を掲げた。その上で「精強な部隊を一丸となって作り上げるため、先頭に立ち指揮を執る」と述べた。
(平成30年3月28日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

離島奪回を想定したデモンストレーションに臨む水陸機動団の隊員=長崎県佐世保市、陸自相浦駐屯地

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