英語イベント好評 佐世保市立図書館 読み語りなど

 佐世保市立図書館(宮地町)が開いている英語のイベントが好評だ。米海軍佐世保基地のボランティアなどの協力を得て、子どもから一般向けまで4種類を定期的に企画。市民と米国人ボランティアいずれも参加が増えており、担当者は「双方がやりがいを感じられる取り組みにしたい」と意欲を見せる。
 「好きな食べ物は何」「これが僕の子どもの写真だよ」
 1月19日午後。3階の視聴覚室に、にぎやかな話し声が響いた。グループで英会話を楽しむ「Communication in English」に、約50人が集まった。九十九島動植物園(森きらら)のカフェに勤務する赤崎町の増田恵理さん(41)は「外国人観光客と話せるようになりたかった。普段使っている図書館なので来やすい」と話した。
 イベントは約3年前に始めた。本の寄贈を受けた在福岡米国領事館の要望で、2016年に日米の中高生が交流する催しを初めて開いた。現在は基地内の学校や教会、AFN(米軍放送網)佐世保報道局などの協力を得て、英語での読み語りや米国文化を学ぶ会など年代や内容を変えたイベントを月に1回企画。定員を超える申し込みがあったり、市外からの問い合わせが増えたりなど評判は上々だ。
 「図書館は、日本人にとって気軽さ、米国人には信頼感がある」。当初から企画に携わる佐志純子司書は背景をこう分析する。
 無料で、多様な英語のネーティブと話せることなど日本人のメリットは多い。2年目からは、ボランティアの参加を後押しするために感謝状を発行。「基地に勤めている人は活動の実績が職場や転職活動の評価につながる。ボランティアにとって形になるものは必要」と佐志司書。感謝状を贈り始めてから、日本人参加者とほぼ同数のボランティアが集まるイベントもあった。
 運営する職員の不足や、語学レベルが異なる参加者が満足できる内容の検討など課題もある。佐志司書は「図書館が立ち寄りやすいのは日米共通。一般の英語教室とは違いさまざまな“冒険”ができる。要望がある限り続けたい」とした。

日本人参加者と米国人ボランティアが自由に英会話を楽しむ「Communication in English」=佐世保市立図書館

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