長崎大がBSL4起工式 学長「安全対策に取り組む」 反対派住民ら抗議も

 長崎大が28日に着工予定の感染症研究施設「バイオセーフティーレベル(BSL)4」の起工式が26日、長崎市の坂本キャンパスであり、関係者が工事の安全を祈願した。

 BSL4は、エボラ出血熱など致死率が高かったり治療法がなかったりする感染症の病原体を扱う。地上5階建て(高さ約43メートル)で、建築面積は1278平方メートル。建設費は約75億5千万円。2021年度に完成予定で、2022年度以降、段階的な稼働を経て本格稼働を目指す。

 起工式には長崎大や建設業者、長崎県、長崎市の関係者、周辺住民ら約60人が出席。神事を執り行った後、河野茂学長は「施設へのさまざまな意見に耳を傾けながら、地域の皆さんに理解していただけるよう、安全対策に取り組みたい」とあいさつした。

 一方、起工式前には坂本キャンパス出入り口付近で、安全面などを理由に建設に反対する周辺住民ら約50人が、プラカードを掲げ「住宅密集地にBSL4はいらない」「裁判で住民と争ってまでつくるな」などと訴えた。

起工式で工事の安全を祈る河野学長(中央)ら関係者=長崎市坂本1丁目、長崎大坂本キャンパス

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