【平成の長崎】内村選手 おかえり 諫早で凱旋パレード 平成24(2012)年

 ロンドン五輪男子体操で個人総合の金など計3個のメダルを獲得した内村航平選手(23)=コナミ=が19日、地元・長崎県諫早市に凱旋(がいせん)した。諫早市中心部アーケードでは祝賀パレードがあり、沿道を埋め尽くした約1万2千人の市民らが大歓声で出迎えた。

 五輪後初めて故郷に戻った内村選手。パレードでは、似顔絵が描かれた旗がはためく中、金メダルを首に下げた内村選手が手を振ると「おめでとう」「おかえり」と声が上がった。

 パレードに先立ち、長崎県から県民栄誉賞特別賞、諫早市から市民栄誉大賞=いずれも新設=が贈られた。内村選手は「4年後のオリンピックもぜひ出場して、またこうやって戻ってこられたらいい」と決意表明した。

 ■大勢の市民ら出迎え「航平君 おめでとう」

 「金メダルおめでとう」-。ロンドン五輪で長崎県勢初の金メダリストとなった内村航平選手(23)=コナミ=が凱旋(がいせん)した19日、パレードを実施した地元の諫早市などには大勢の市民らが駆け付け、故郷が生んだヒーローを大きな拍手と歓声でたたえた。

 内村選手は午後1時半すぎに空路で長崎県入り。同2時半から長崎県議会議場であった県民栄誉賞特別賞の表彰式に臨んだ。

 一般傍聴席には約430人が詰め掛け、立ち見も出る盛況ぶり。中村法道知事は表彰状を贈り「輝かしい功績は子どもたちに夢と勇気を、日本中の人々に感動と誇りを与えてくれた。さらなる活躍を祈る」とたたえた。内村選手は「長崎の皆さんに金メダルを見せられたことは誇り。この場所に来るまでにたくさんの拍手をもらい、あらためて長崎の人々にこんなにも応援してもらったんだと実感した。本当にありがとうございました」とお礼を述べた。

 続いて、諫早市東小路町の中央交流広場であった市民栄誉大賞の授与式に出席。約5千人の市民らが見守る中、宮本明雄市長は「諫早にも日本にも勇気を与えてくれた。この金メダルはスーパー金メダル」と絶賛した。

 諫早市中心部アーケードには地元の英雄を一目見ようと約1万2千人が集まり、午後5時のパレード開始前から身動きができないほどに。内村選手が白いオープンカーで登場すると「おめでとう」「航平君」と歓声が上がり、熱気は最高潮に達した。

 県民栄誉賞特別賞の表彰式に駆け付けた五島市下大津町の平田成美さん(23)は「内村選手が長崎に生まれてくれて良かった。これからもけがをしないよう、無理をせずに頑張ってほしい」とエール。パレードを見た諫早市仲沖町の中山英記さん(82)は「次は金メダルを3個ぐらい取ってほしい。自分も長生きして、次もぜひ見たい」と笑顔で話した。(平成24年9月20日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

声援に応えながらパレードする内村航平選手=諫早市、アエルいさはやアーケード
祝賀パレードで大勢の市民から祝福を受ける内村航平選手(中央)=諫早市、アエルいさはやアーケード

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