【平成の長崎】お帰り長崎瓊子、75年ぶり故郷へ 県内各地で巡回展 平成15(2003)年

 長崎県内で巡回展示される日米友情人形「ミス長崎(長崎瓊子)」が2月15日、ソウル経由で空路長崎に到着。同日、受け入れ先の長崎市三ツ山町の長崎純心大博物館(片岡瑠美子館長)に入り、こん包を解かれた。昭和の初め、県内の子どもたちの平和の願いを託され米国へ渡って以来、七十五年ぶりの帰国だ。
 瓊子は「平和大使」としての使命を担いながら、一方で不幸な「戦争の世紀」を見詰めてきた。輸送用の箱の中から姿を現した瓊子に、里帰り運動を進めてきた実行委(会長・片岡千鶴子長崎純心大学長)のメンバーらは感慨深げ。「お帰りなさい」と声をかけ、あらためて歴史の重み、平和の尊さをかみしめた。
 瓊子は同博物館で着付け直しなどをして、26日から長崎市(浜屋百貨店)、佐世保市(島瀬美術センター)、平戸市(松浦史料博物館)、島原市(島原観光復興記念館)の順で開かれる巡回展で県民に披露される。(平成15年2月16日付長崎新聞より)
   ◇   ◇   ◇
【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

こん包を解かれ姿を現した日米友情人形「長崎瓊子」=長崎市三ツ山町、長崎純心大博物館

© 株式会社長崎新聞社