戦争や核兵器のない世界へ努力 元オランダ人抑留者ら来崎 長崎原爆資料館など視察

 第2次世界大戦中、旧日本軍に抑留されるなどしたオランダ人8人が18日、長崎市内で田上富久市長と面会。平和への思いを共有し、戦争や核兵器のない世界に向けて努力していくことを互いに誓った。
 外務省が2005年度から取り組む日蘭平和交流事業の一環。元戦争捕虜や民間人抑留者、その家族らを日本に招き、草の根レベルで相互理解を図っている。一行はオランダ人が抑留されていた福岡県水巻町を訪ねた後、17日から3日間の日程で初めて長崎入りし、長崎原爆資料館などを視察。原爆の被害に触れた。
 田上市長は「戦争で(オランダ人らが)つらい経験をしたこと存じ上げている。未来の人たちがつらい思いをしないよう、共に歩んでいきたい」とあいさつ。「出島」を通じた長崎とオランダの歴史的かかわりなどについても説明した。
 団長のフレデリック・ファン・デン・ベルグさんは「この町で見たもの、出会ったものは、私たちに大きな悲しみをもたらした。だが同時に、世界中の人々が実際に目で見て耳で聞く必要があるとも感じた」と述べ、恒久平和を誓った。

平和への思いを語るオランダからの訪問団の団長=長崎原爆資料館

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