詰めの甘い「プレミアム」

 毎月の「プレミアム(高級な)フライデー」が待ち遠しい、という声を聞いたためしがない。月末の金曜日は早めに仕事を切り上げ、買い物や食事をどうぞ-。そんな「プレ金」の勧めは、もう忘れ去られた感がある▲政府が打ち出し、名に「プレミアム」と付く政策の類いはなぜか、効果が薄いように思える。「プレ金」しかり、「プレミアム(割り増し)付き商品券」しかり▲消費税率が8%に引き上げられた際、例えば1万円の商品券を買うと1万1千円分の買い物ができるといったプレミアム商品券が発行され、割り増し分には国費が充てられた。新たな消費を呼び起こす狙いとは裏腹に、いずれ買う物を前倒しで買う「需要の先食い」を招き、本当の効果は限られていたという見方も強い▲来年10月の消費税増税でも、低所得層などにプレミアム商品券を出すというが、「先食い」批判が上がる一方、対象となる世帯の確認が大変らしく、壁にぶち当たっているという▲クレジットカードなどのポイント還元策も、カード会社のシステム変更を要したり、恩恵を受ける層が偏ったりで、商品券とともに課題は山とある▲プレミアムは「おまけ」の意味も持つ。どうしたことか、政府がプレミアムと銘打つ策には、漏れなく「詰めの甘さ」というおまけが付くらしい。(徹)

© 株式会社長崎新聞社