忘れない「8月9日午前11時2分」 ナガサキピースミュージアムで写真展

 撮影者の平和への思いを、長崎原爆の投下時刻に合わせて各地で撮影した写真を通して伝える企画展「忘れないプロジェクト写真展」が6日、長崎県長崎市松が枝町のナガサキピースミュージアムで始まった。10回目の今年は初めてベトナムからも出品があり、国内外から過去最多の98点が並んでいる。12月2日まで(11月12、19、26日休館)。

 企画したのは1歳の時、母親に背負われて疎開先から長崎に入市被爆した小川忠義さん(74)=長崎市江平1丁目=。8月9日の原爆投下時刻に町で立ち止まって黙とうをする人が少なくなってきたと感じた小川さんは、原爆や戦争の記憶を風化させないよう、2009年から毎年、その年の8月9日午前11時2分に撮影した写真を募り、平和へのメッセージを発信している。ベトナムからの1点、中国からの34点は、小川さんが理事長を務める九州日中文化協会のつながりで応募を呼び掛けた。

 98点は全てカラー。窓辺で手を合わせる高齢女性の姿を捉えた写真、平和を象徴する青空を収めた1枚、11時2分を指す時計をモチーフにした作品など、撮影者それぞれの感性と個性で思いを伝えている。

 小川さんは「写真を見に来て、気軽にできる平和運動があることを知ってほしい」と話した。

「忘れないプロジェクト写真展」に集まった写真を紹介する小川さん=長崎県長崎市、ナガサキピースミュージアム

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