「米国は最も非道な国」 元米兵、戦場のリアル語る 「戦争はうそで固められたもの」

 米国の元軍人らでつくる国際平和団体「ベテランズ・フォー・ピース」(VFP)のメンバー2人が24日、長崎市内で「米兵が見た戦場のリアル」と題して講演し、自身の戦争体験や反戦への思いをそれぞれ語った。
 2人は、ベトナム戦争に従軍したマイク・ヘイスティさん(73)と、イラク戦争に従軍したネイサン・ルイスさん(36)。VFPは1985年、第2次世界大戦やベトナム戦争に従軍した元軍人らで設立し、米国を中心に約8千人会員がいる。2人は東京や広島、長崎など14カ所で講演するために来日した。
 ヘイスティさんは、戦場で虐殺や自殺などの凄惨(せいさん)な場面に遭遇。米軍の戦略は「敵の兵隊だけでなく市民も標的にするのが目的。米国はこの世で最も非道な国」と批判し、「日本も憲法9条を改正すれば、米国の戦争に加担するのか」と問い掛けた。
 ルイスさんは除隊後、大学に進学。「(相手国の)兵士も国民も脅威ではなく戦争はうそで固められたもの。戦争のことを早く忘れたかったし、学生の時は友人に元軍人と知られたくなかった」と打ち明けた。「米国は新しい戦争を支持し、今までの戦争も継続するだろう。米国内の反戦家も非常に不安な状況。どうしたらいいか考えるべき時だ」と力を込めた。
 長崎地区労主催。国際反戦デー(10月21日)に合わせて開催し、市民ら45人が聴講した。

戦争体験や反戦の思いを語ったヘイスティさん(左)、ルイスさん=長崎市、長崎地区労会館

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