大村市に慰謝料74万円支払い命令 屋根崩落事故で地裁支部

 長崎県大村市立西大村小(乾馬場町)にある相撲場の屋根が崩落し、けがをした元市嘱託職員の男性(68)が、市に対して慰謝料など約108万円の支払いを求めた訴訟の判決で、長崎地裁大村支部(岩崎)貴彦裁判官)が市に慰謝料など計約74万円の支払いを命じていたことが25日、分かった。判決は17日付。
 訴状などによると、2015年11月、老朽化した市立西大村小の相撲場改修工事中に柱が折れて屋根が崩落。男性は首や左腕にけがをした。
 判決では「市教委は工事前から屋根が傾いていたことを把握していた」とし、事故は予見できたと認定。一方で、「立ち入り制限された工事現場に男性が入る必要性は明らかではない」として、男性の過失割合も2割認めた。
 市教委は「安全対策を講じるための改修工事だった。設置管理の瑕疵(かし)はない」として福岡高裁に控訴する方針。

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