佐世保南高 「ユネスコスクール」に加盟 国際理解や環境教育評価

 長崎県立佐世保南高(下釜祐保校長、678人)は、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の理念に基づいた教育を実践する教育機関「ユネスコスクール」に加盟した。生徒自らが考える姿勢を重視しながら、国際理解や環境教育に取り組む活動が評価された。長崎県内では3校目。

 1997年から米国に生徒を派遣している。姉妹校提携する学校などとの交流を通じ、国際的な視点を養うプログラムを展開。3年生は卒業する際に、フィリピンの恵まれない人たちに体育館シューズや文房具を贈る活動を続けている。

 平和学習では、戦争体験者への聞き取りや遺構を調査。東日本大震災の被災地や九州電力玄海原発を訪ね、環境や防災、エネルギー問題について学んでいる。

 こうした特別活動と並行して、各教科の授業の中で「何のために学ぶのか」という意識づけを徹底している。下釜校長は「古里を支える子どもたちと、世界で活躍する人材は、共にグローバルとローカル双方の視点が必要。二つの視点を両立させ、社会に奉仕する力と自らを高める力を相乗的に養う教育を実践したい」と語った。

 ■ズーム/ユネスコスクール

 持続可能な社会に向け、環境や異文化理解など地球規模の問題に対応できる若者を育てようと1953年からユネスコ本部が認定している。国内では幼稚園から大学まで1149校(7月現在)が加盟している。

米国の学童保育施設を訪れ交流する生徒(佐世保南高提供)

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