「馬とばせ」熱戦に声援 対馬初午祭

 長崎県対馬市上県町瀬田地区の市営目保呂(めほろ)ダム馬事公園で21日、第17回対馬初午(はつうま)祭(実行委主催)があり、「馬とばせ」と呼ばれる対州馬(たいしゅうば)のレースに観客が声援を送った。
 対州馬は日本在来8馬種の一つ。小柄だが温厚で、最盛期には島内で4千頭以上が農耕などに活躍していた。しかし、車の普及や農業の機械化により激減。現在では40頭しか残っていない。
 初午祭は、農作業が一段落する旧暦6月の最初の午(うま)の日に、初節句の代わりとして瀬田地区で行われていた。馬とばせは祭りの余興の一つ。対州馬の減少で途絶えていたが、2002年に住民が約40年ぶりに復活させた。
 レースは約300メートルの直線コースで実施。今年は地域住民らが乗った4頭の対州馬が出場し、2頭ずつ走って勝敗を決めるリーグ戦や、4頭が一斉に走る「対馬ダービー」で熱戦を展開した。対馬ダービーは、同公園調教師、篠原由美恵さん(41)が乗ったミヅキ号=メス5歳=が1着だった。
 対州馬と人が速さを競う「走力対決」もあり、対馬北署と海上自衛隊対馬防備隊がそれぞれ5人のリレーで対州馬に挑戦。いずれも対州馬に軍配が上がった。

対州馬の速さを競い合った「馬とばせ」=対馬市営目保呂ダム馬事公園

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