陸自水陸機動団と米海兵隊 演習場外で初の共同訓練 鹿児島・種子島

 陸上自衛隊は14日、水陸機動団と在沖縄米海兵隊が、国内の演習場以外で初めて実施した鹿児島県種子島での日米共同訓練を報道陣に公開した。
 機動団は3月に相浦駐屯地(長崎県佐世保市大潟町)に発足。離島防衛を主任務とし、「日本版海兵隊」とも呼ばれる。訓練は連携強化や共同対処能力の向上が目的。第2水陸機動連隊や第1ヘリコプター団などの約220人に加え、米海兵隊約10人が参加。旧種子島空港が敵に占拠され、奪回するとの想定で臨んだ。
 種子島の沖合に浮かぶ海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」から、偵察用ボートに乗った機動団の隊員が海岸に上陸。敵を警戒しながら約3キロ先の旧空港まで移動し、輸送ヘリが降りるための安全を確保。その後、米海兵隊と機動団の隊員が次々とヘリから降り立ち、小銃などで敵を制圧しながら前進し、奪回まで進めた。実弾や空砲は使わなかった。
 旧空港での日本側の指揮を執った同連隊第1中隊長、小松慧介(けいすけ)・3等陸佐は「水陸両用作戦能力と共同対処能力を向上させることができ、充実した訓練だった」とコメントを出した。

国内の演習場以外で初となる日米共同訓練に臨む水陸機動団の隊員=鹿児島県中種子町、旧種子島空港

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