新たに墓穴と4体人骨 平戸・三浦按針墓地一帯

 長崎県平戸市は11日、徳川家康の外交顧問だった英国人、ウィリアム・アダムス(日本名・三浦按針)の埋葬地とされる墓地がある崎方公園(大久保町)で、新たに五つの墓穴と計4体の人骨などを発見したと発表した。園内で既に見つかっている二つの墓穴と合わせ、平戸市は「(複数の)墓が公園内に、広域にあることが確認できた」としている。

 平戸市は昨年6、7月、同公園の一部(約560平方メートル)で発掘調査を実施。公園内にある三浦按針墓地の石碑周辺で二つの墓穴と、計2体分の人骨が見つかった。うち1体は西洋人の男性と推定され、按針の可能性もあるとして専門機関が調べている。

 今回の発掘は、公園整備に伴う調査として9月26日に開始。昨年調査した場所から東側に最大約30メートル離れた場所までの間で、五つの墓穴(各直径約120センチ、深さ約80センチ)と、計4体の人骨が見つかった。人骨はいずれも頭蓋骨や大腿(だいたい)骨の部分と推測。調査に当たる土井ケ浜遺跡・人類学ミュージアム(山口県)の松下孝幸館長(68)によると、うち1体は骨が太く、座棺に座らせた状態で埋葬されたとして日本人男性の可能性が高いという。

 骨の下からは副葬品と思われる16世紀後半の茶わんや素焼きの皿も見つかった。平戸市は、これまでに発見された計6体の人物の関係性も含め、調査を続けたいとしている。

見つかった墓穴の一つと人骨=平戸市大久保町

© 株式会社長崎新聞社