対馬で「爆破テロ」 11月国民保護訓練 武装ゲリラからの人質救出訓練は見送り

 長崎県と対馬市は28日、対馬の上島で国際テログループによる爆破テロが起き、住民を下島に避難させることを想定した国民保護訓練を11月2日、同市内で実施すると発表した。
 同訓練は国民保護法に基づき、県が2005年度から実施。今回は対馬市のほか陸海空の各自衛隊、対馬海上保安部など計15機関約200人が参加する。
 峰港(同市峰町)のイベント会場にテログループが爆発物を仕掛け、けが人が出たとして、警察と消防が負傷者の救護・搬送訓練にあたる。同港から海保の巡視船と航空自衛隊のヘリコプターで、比田勝港(同市上対馬町)でも海自の艦船を使い避難訓練をする。旧塩浦小グラウンド(同市豊玉町)では、住民が武装したテログループに包囲されたと想定し、陸自が自動小銃で威嚇射撃するなどしてテログループを追い払う「避難妨害への対処」を実施する。
 県は当初、対馬に武装ゲリラが侵入し、自衛隊が治安出動して人質を救出する訓練を計画していたが、見送った。県危機管理課は「国民保護法の枠内で実施するよう関係機関と調整した結果」と説明している。

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