諫干非開門での基金解決「無理」 超党派国会議員団

 国営諫早湾干拓事業の現状を把握しようと、超党派の国会議員でつくる「公共事業チェック議員の会」の4人が14日、諫早市の中央干拓地などを視察し、営農者や開門派漁業者らと意見交換した。同会事務局長の初鹿明博衆院議員(立憲民主)は視察後、「一度、開門して変化を確認しなければ、農業者も漁業者も納得しない。開門しない前提の100億円基金での解決は無理がありすぎる」と述べた。
 一行は、カモによる農作物食害を訴え県などと損害賠償請求訴訟を係争中の営農者2人と面会。松尾公春さん(61)は「農地周辺に調整池を造ったためにカモが飛んでくるようになった。地盤沈下や排水不良などにも悩まされ、農業を営むための基盤設計ではない」と訴えた。
 この後、本県や佐賀県の漁業者と同市小長井町内で対話集会があり、同町の松永秀則さん(65)は「年々、海の状態が悪くなり漁ができない。この実態を国会で議論してほしい」と注文した。

営農者から現状を聴く初鹿議員(左)ら=諫早市中央干拓

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