「被爆者の声届ける」 高校生平和大使が帰国報告

 核兵器廃絶を求める署名約11万筆分をスイス・ジュネーブの国連欧州本部に届けた高校生平和大使の帰国報告会が1日、長崎市内であった。核兵器を巡る保有国と非保有国の認識の差を埋めるため、若者が世界に被爆者の声を届けるなどと決意を述べた。
 平和大使は今年のノーベル平和賞候補に挙がっている。今年の第21代平和大使は本県選出の2人を含む15都道府県の20人。8月26日に出国後、ジュネーブで軍縮会議の傍聴や非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)本部を訪問し、31日に帰国した。
 報告会には体調不良の1人を除く19人の平和大使が出席。軍縮会議に参加した各国大使らとの会合で、安全保障のためには核抑止力が必要と核保有国の代表者から説明されたと明かした。核保有国と非保有国には認識の差があるとしながらも「廃絶は国同士が協力すれば必ず実現する。若い世代の新たな核廃絶活動を行う」とも発言した。
 県立長崎西高2年の徳永雛子さん(16)は「平和な世界の実現のためにはさまざまなアプローチがある。私たちは被爆者の声を届け、若者の関心を広げる」、県立諫早高2年の山西咲和さん(17)は「これからも被爆者の思いを通して核兵器廃絶と平和を世界に訴えたい」と語った。

活動を報告する高校生平和大使=長崎市筑後町、ホテルセントヒル長崎

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