戦没者の無念を忘れず 佐世保・釜霊園で追悼式

 終戦の日の15日、長崎県の佐世保釜墓地戦歿(ぼつ)者護持会(宮内雪夫会長)は、フィリピンの日本人収容所などで亡くなった戦没者が眠る釜霊園(佐世保市江上町)で追悼式を開き、参列者約50人が不戦の誓いを新たにした。
 釜霊園には、1949年1月にフィリピンから佐世保市の浦頭に着いた引き揚げ船「ぼごだ丸」で運ばれた軍人の遺体や遺骨、船内での死没者ら6500余柱が眠る。護持会は米軍が作成した名簿などを基に遺族を捜しているが、判明しているのは580柱。
 参列者は正午の時報に合わせて黙とう。宮内会長は「(終戦から)73年たった今日も戦争と平和を巡る議論は熱を帯びているが、釜墓地の由来を決して忘れることはない」と追悼の言葉を述べた。参列者は供養塔に花を手向けた。
 福岡県筑紫野市の会社員、川島穂積さん(69)は「戦没者は家族に会うため、生きて帰りたいと感じていたはずだ。その無念な思いを忘れてはいけない」と話した。

供養塔に花を手向け、頭を下げる参列者=佐世保市、釜霊園

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