「平和の泉」 亡くなった被爆者の方々に きれいな水を

 9日の平和祈念式典で献水を担当する青少年代表の3人が8日、長崎市松山町の平和公園にある「平和の泉」で採水し、水を求めて亡くなった被爆者に思いをはせた。
 今年の青少年代表は、市立伊良林小6年の大倉佑太郎君(11)、市立山里中2年の増浦華さん(13)、市立長崎商業高2年の菅藤優さん(16)。3人で一礼した後、一人ずつひしゃくで水をすくい、手おけへ注いだ。
 大倉君は「水を求めて多くの人が亡くなったので、安らかに眠ってほしいという気持ちで採水した。核兵器のない平和な世界になってほしい」と話した。
 被爆3世の増浦さんは「学校の専門部活動を通して平和や戦争を学んでいる。式典では、亡くなった方に届くよう気持ちを込めて献水したい」と意気込みを語った。
 菅藤さんは「昨年亡くなった曽祖父が生前、戦争のことを忘れないでほしいと話していたので、平和行事に携わりたいと思った。今日は、亡くなった被爆者の方々へきれいな水をと思って採水した。将来は手話通訳士になって、平和祈念式典でも通訳したい」と抱負を述べた。
 このほか、金比羅山中腹の穴弘法奥の院・霊泉寺など4カ所で市職員が採水。平和祈念式典では、青少年代表と被爆者代表、遺族代表の計5人が平和祈念像の前に供える。

平和祈念式典の献水で使う水をくみ取る青少年代表=長崎市、平和公園

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