諫早農高食品科学部が経産大臣賞 規格外ビワを有効活用

 生物や環境、食料などの研究成果を競った第8回高校生バイオサミットin鶴岡(実行委主催)で、長崎の県立諫早農業高食品科学部(前田悠花部長、19人)の「規格外枇杷の有効利用法について」が、全国65校が出場した成果発表部門で最高賞の一つ、経済産業大臣賞を受賞した。規格外品を使った「びわカステラ」を地元企業と共同開発し、商品化を実現したことや、発表のチームワークなどが高く評価された。
 ビワ生産量全国1位を誇る本県で、規格外として廃棄されているビワも多いことを知り、生産者の悩みを解消しようと2016年4月、研究に着手した。以降、後輩部員らが引き継ぎながら、酸性の溶液に浸す工程などでビワの変色を防ぎ、長期保存する方法を確立。今年7月に特許申請した。
 6月の第68回県学校農業クラブ連盟年次大会(同連盟など主催)プロジェクト発表II類で最優秀に輝いたスライド発表を研究リポートにまとめ、サミット実行委に提出。1次書類審査を通過し、3年連続で本選出場が決まった。7月30日~今月1日、山形県鶴岡市であった同サミットには、部を代表して3年の岡村彩加さん(17)を中心に、2年の濱埼莉未さん(17)、水口喬太さん(17)、森凪沙さん(16)が4分のプレゼンテーションに臨み、研究を発表した。
 同サミットで、同部が最高賞を受賞したのは初めて。岡村さんは取材に、「皆のこれまでの努力が報われた。農業生産者や県内産業の活性化に役立てればうれしい」と話した。同部は今後も今の2年生を中心にビワの葉や種子、果皮にある抗菌作用を利用した、品質保持剤の研究開発を進めていくという。

審査員の前で発表する食品科学部の4人=山形県鶴岡市(諫早農高提供)
経済産業大臣賞を受賞した食品科学部のメンバー=諫早農高

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