被爆者で漫画家 西山進さん(90) 作品展で体験語る

 長崎で被爆した漫画家の西山進さん(90)=福岡市南区=の作品を展示する「『戦争はイヤだ!』西山進まんが展2018」が北九州市戸畑区のウェルとばたで開かれている。7日は西山さんが来場して被爆体験を語り、市民ら約40人が耳を傾けた。
 西山さんは大分県出身。17歳のとき、少年工として働いていた三菱重工業長崎造船所(爆心地から約3・5キロ)で被爆。その体験や反戦、平和への思いを漫画として描いてきた。
 西山さんは、造船所工場で空腹と上級生の暴力に耐えた日々や、被爆翌日に救援隊として向かった爆心地付近で見た惨状を自作の紙芝居を掲げながら語った。「被爆体験を話せる人が少なくなり、実相が伝わりにくくなっている。体験は一人一人違う。多くの証言に触れ、被爆の実相をいろんな形で知ってほしい」と来場者に呼び掛けた。
 同展は被爆者の証言集を発行するエフコープ生協(福岡県篠栗町)の自主グループ「ゆとりの時間」が開催し、西山さんの作品約30点を展示。9日午後2時からは長崎原爆の被爆証言を朗読する。10日まで。

原爆投下後の長崎の惨状を描いた紙芝居を掲げながら体験を語る西山さん=北九州市、ウェルとばた

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