平和希求「ナヘア」開幕 キッズゲルニカ17点展示

 長崎原爆の日に合わせ、8月に地元作家らが平和を発信する複数のイベントを長崎市内で展開する「長崎平和アートプロジェクト(ナヘア)」が、4日開幕した。爆心地公園内の下の川では、国内外の子どもたちが平和や古里への思いを描いた大型絵画を飾る「キッズゲルニカinながさき」がスタート。未来を感じさせる作品群に、関係者は平和希求の思いを新たにした。
 以前からあるアート系平和イベントの一部や新イベントの運営主体が集まって主催団体のナヘア(米村昭彦代表)を組織し、初めて開催。31日まで絵画、書、写真、音楽、茶道、生け花といった多ジャンルの16の催しを順次開く。
 キッズゲルニカは、スペインの画家ピカソの「ゲルニカ」と同じ縦3・5メートル、横7・8メートルのキャンバスに、子どもたちが平和壁画を描く12年目の国際プロジェクト。長崎親善人形の会「瓊子の会」主催。今年は、下の川(14点)など市内3カ所に計17点を飾る。
 ナヘアの開会式典は爆心地公園であり、田上富久長崎市長ら来賓を含め約100人が出席。画家の米村代表(88)=同市=はあいさつで、キッズゲルニカの絵に触れ「戦争、原爆を地球上からなくすことができるのではないかと、未来を明るく感じる。ナヘアが平和を願う思いを発信する大きな広がりになれば」と述べた。
 出席者は午前11時2分、原爆落下中心地碑に向かい、黙とう。キッズゲルニカの絵をバックに、米村代表らがテープカットを行った。

ナヘアが開幕し、下の川に飾られた「キッズゲルニカ」の作品群=長崎市松山町、爆心地公園

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