黒崎中1年生15人 キッズゲルニカを制作

 来年3月末で閉校となる長崎市東出津(しつ)町の市立黒崎中(橋口稔校長、52人)の1年生15人が、平和や古里に対する思いを込めた大作絵画「キッズゲルニカ」を制作した。9日の同校平和集会で全校生徒に披露する。
 キッズゲルニカは、スペインの画家パブロ・ピカソの大作「ゲルニカ」と同じサイズで、子どもたちが平和のメッセージを描く国際プロジェクト。市民グループ長崎親善人形の会「瓊子の会」(山下昭子会長)から説明を受け、6月中旬から約1カ月かけて制作した。
 テーマは「変わらない風景 外海の自然」。全員で話し合い、みんなの好きな古里を題材に。外海には世界遺産に登録されたばかりの「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産がある。資産内の出津教会堂や、お世話になった校舎、80年以上の歴史がある同校茶園、角力(すもう)灘に沈む夕日などを生き生きと描いた。
 中平凰雅(おうが)さん(13)は「世界には外海のように大切にされている風景がたくさんある。それを戦争で壊されたくないという気持ちで描いた」と語った。指導した美術科の時枝亜生(つぐお)教諭(41)は「よく頑張った。共同で楽しく取り組んだことが見る人に伝われば」と出来栄えに目を細めた。
 全校生徒が9日、平和のメッセージを英語で作品の裏に書き入れる。作品は17日から29日まで長崎ブリックホールで展示される予定。

黒崎中の1年生が大好きな古里を描いた「キッズゲルニカ」=長崎市、同校

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