FFG・十八銀統合計画 借り換え打診1000億円弱 公取委の判断が焦点に

 経営統合を目指す、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG、福岡市)と十八銀行(長崎市)が取引先の意向を受け、他の金融機関へ借り換えを打診した総額が1千億円弱になったことが31日、関係者への取材で分かった。受け入れに協力姿勢を示す金融機関が多く、統合後の県内貸出金シェアを抑制し競争環境の維持にどれだけつながるか、統合審査中の公正取引委員会(公取委)の判断が注目される。
 十八銀とFFG傘下の親和銀行(佐世保市)が合併すれば、県内企業向け貸出金シェアが約7割に上ることから、公取委は競争が制限され、取引先に金利上昇など不利益をもたらす恐れを指摘してきた。
 これに対し両行は昨年5月、取引先500社を抽出調査。他の金融機関への譲渡可能額は500億円程度で公取委の想定に届かなかった。両行は今年5月以降、全取引先約1万6千社に対象を拡大し、借り換えの意向があるか再調査。どれだけ積み増せるかが焦点となっていた。
 FFG・十八銀側が借り換えを打診したのは、県内に拠点がある都銀や地銀、信用金庫など約20の金融機関。このうち佐賀銀行(佐賀市)と鹿児島銀行(鹿児島市)は30日の会見で、受け入れる方針を表明した。長崎銀行(長崎市)を傘下に置く西日本フィナンシャルホールディングス(福岡市)も協力姿勢を示し、最も多い計200億円前後を審査している。
 一方、公取委は引受先の金融機関への聞き取りを始め、競争環境が担保されるかどうか慎重に見極めている。

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