亡き母の体験 紙芝居に 「被災協・二世の会・諫早」山下さん 戦争、核兵器ない世界を

 諫早市などの被爆2世でつくる「長崎被災協・被爆二世の会・諫早」(森多久男会長)は22日、市本町の本町ポケットパークで「原爆・継承コンサート」を開いた。会員の山下豊子さん(62)=長田町=が亡き母の戦争、被爆体験を基に制作した紙芝居を披露し、戦争も核兵器もない世界を呼び掛けた。
 同会は2012年に結成し、同コンサートは15年から開き4回目。原爆被害の恐ろしさを伝える写真パネル約30点を展示したほか、地元ミュージシャンの歌や会員による被爆者の手記朗読もあった。
 山下さんの母親(15年死去)は16歳の時、長崎原爆後、諫早市長田町に運ばれた負傷者の手当てに加わり、救護被爆。山下さんは母親の体験を文章化し、昨年夏ごろから紙芝居づくりに入った。脳梗塞で右半身にまひがあり、左手で色鉛筆を握った。
 同町の木下美代子さん(70)は「(山下さんと)同じ町に住んでいるが、原爆直後の状況は知らなかった。二度と起こしてはならないという思いがとても伝わってきた」と話した。

亡き母の戦争、救護被爆体験を紙芝居にして朗読する山下さん(右)=諫早市、ポケットパーク

© 株式会社長崎新聞社