米補う大根めし、だしのない すいとん・・・ 戦時食作り思いはせる 長崎でイベント

 戦時食作りを通し、親子で平和について考える体験イベントが21日、長崎市丸尾町の市西公民館であった。親子4組計11人が、戦争中の食料事情や生活ぶりを学んだ。
 同公民館の「夏休み子ども教室」の一環。市食生活改善推進協議会長崎西支部のメンバー4人に当時の体験談を聞きながら、不足する米を補うために大根を入れて炊く大根めし、カボチャとタマネギを入れたすいとん、サツマイモのいももちの3品を作った。
 調味料なども不自由だった当時に倣い、すいとんのだしは取らず、いももちは少量の塩だけで味付け。参加者は、試食して口々に「おいしい」と感想を述べる一方、食べられる量が限られていた当時に思いをはせた。
 父親と参加した市立坂本小5年の貞包実侑里(さだかねみゆり)さん(10)は「おいしかったけど、これが毎日だと耐えられない。戦争が終わるまでみんな頑張ったんだなと思う」と話し、「今は平和だからたくさん食べられる。このまま戦争のない時代が続いてほしい」と願っていた。

いももちとすいとんを作る子どもたち=長崎市西公民館

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