長大レクナ・インタビュー 石破氏 核兵器 現時点は必要 岡田氏 日本 軍縮議論主導を

 自民党の石破茂元防衛相と衆院会派無所属の会代表の岡田克也元外相が各自、核兵器について語ったインタビュー記事が、長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA=レクナ)編集のウェブ学術誌「平和と核軍縮」に掲載された。石破氏は核兵器は現時点では必要とし、岡田氏は日本が核軍縮議論を世界で主導すべきと訴えた。
 石破氏は「核兵器は根源的には廃絶が望ましい」としつつ、現時点では戦争を防ぐために核を含む戦力均衡の維持が最重要とした。
 「北朝鮮が核を使うことは否定しきれない」とも指摘。国防のため、米国による「核の傘」の実効性を可能な限り検証、確認することが必要とし、「非核三原則」の是非については「突き詰めて議論したとは言い難い」と述べた。ミサイル防衛(MD)や国民保護なども挙げ「備えれば備えるほどリスクは減る」との認識を示した。
 岡田氏は、安倍晋三首相が2016年にオバマ米大統領と共に広島で「核なき世界」を訴えた後、トランプ新政権の核戦略の強化指針も容認したことに「あり得ない」と批判。「広島、長崎に行って核軍縮を頑張るとも言っているが、本気を感じない」とも語った。
 核兵器禁止条約への日本の不参加にも「国際的な核軍縮の流れの中で日本の存在感がなくならないか」と懸念。被爆国として軍縮議論を主導すべきと訴えた。
 インタビューはRECNAの吉田文彦副センター長が担当、13日付で公開した。英語版も後日公開予定。

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