原爆の残り火届ける活動を映画化 鈴木監督、長崎で意見交換 戦争のない世界の実現を 

 福岡県八女市にともり続ける広島原爆の残り火を中東など世界各地に届けている平和団体の活動を追った映画「BE FREE! 原爆の残り火を、パレスチナへ ~アースキャラバン2015~」の上映会が16日、県庁であった。上映後のトークイベントに参加した鈴木聡監督(47)は「どの国の人も自分たちと同じように、戦争のない世界の実現を願っていると知ってほしい」と訴えた。
 映画は、残り火を携えて2015年から世界を巡っているNPO法人アースキャラバン(京都市)の活動を追ったドキュメンタリー。緊張が続くパレスチナとイスラエルでは住民たちへのインタビューなどを通し、現地の実情や民衆の平和への思いなどを伝えている。
 トークイベントでは平和をテーマに意見交換した。鈴木監督は中東での出来事は「日本と無関係な話ではない」と指摘。戦時中の加害の歴史や現在のいじめ問題などを例に挙げ、「人間は誰しもが加害者になる可能性がある。戦争を起こす要因は自分たちだけが正しいと思い込む心だ」と強調した。

トークイベントで平和への思いを語る鈴木監督(中央)=県庁

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