被爆の惨状 劇や歌に 長崎「平和のつどい」

 学校の垣根を越えて子どもたちが平和について考える「子ども平和のつどい」が16日、長崎市銭座町の市立銭座小であり、劇や歌を通じて原爆の悲惨さや平和の大切さを学んだ。
 長崎市内の教職員や保護者有志らでつくる実行委が1987年から毎年開き、32回目。同市や西彼時津、長与両町の約100人の児童らが参加した。
 原爆で大けがをしながらも負傷者の救護活動に奔走した医師、故永井隆博士が編さんした「原子雲の下に生きて」に収められた子どもたちの被爆体験記などを、小中高生ら約30人が劇にして発表。やけどで顔が腫れ上がったり、泣き叫んだりする人たちの姿を生々しく演じ、戦争や原爆で親を亡くした子どもたちの喪失感や悲しみを感情豊かに表現した。
 また、現代の日本の学校に生きづらさを感じている子どもがいるとして「平和に生きるためにどうすればいいのか、みんなで考えよう」と呼び掛けた。
 劇に参加した県立長崎工業高3年の平古場有紀さん(17)は「子どもたちにはまず、身近ないじめやけんかなどを通して、戦争や平和について考えてほしい。今後も多くの人に平和の大切さを伝えたい」と話した。

原爆投下直後の惨状を劇を通して伝える子どもたち=長崎市立銭座小

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