留学生に被爆者の生の声 長崎平和大学

 県内の大学に今春留学した外国人が長崎原爆の被害の実相を学ぶ「長崎平和大学」が2日、長崎市内であり、アジアや米欧などの約270人が参加した。市内の被爆者、深堀讓治さん(87)の体験談を聴き、被爆遺構などを巡った。
 県、市、長崎留学生支援センターが長崎の歴史への理解を深めてもらおうと2005年から開いている。
 深堀さんは長崎大中部講堂(文教町)で講話。原爆投下時、爆心地から約3キロの工場にいた深堀さんは無事だったが、自宅は爆心地から約600メートルと近く、母親ときょうだい3人を失ったことを振り返り「戦争と核兵器は絶対にだめ。人類の平和のために努力してほしい」と呼び掛けた。
 米国から長崎外国語大(長崎市)に留学しているエレン・マイルズさん(21)は「原爆のことは知っていたが、被爆者の話を聴いたのは初めて。泣きそうになった。もっと関心を持たないといけない」と語った。
 留学生たちは平和公園や爆心地公園、長崎原爆資料館も見て回った。

深堀さんの被爆体験講話に聴き入る留学生=長崎大中部講堂

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