長崎県の転出超過7325人 県外流出著しく 県の目標と開き「厳しい数字」

 昨年度、長崎県から県外への転出者が転入者を上回った「転出超過数」は7325人で前年度より約2100人多く、県外流出が著しかったことが1日、長崎県の住民基本台帳を基にした調査で分かった。過去5カ年でみても7千人台は突出しており、長崎県が目標とした約3500人とは開きが出た。

 長崎県政策企画課は、三菱重工業の大型客船建造からの撤退に触れ、「客船建造に携わるため県内に住んでいた外国人労働者が出て行った影響が大きい。だが、その特殊事情があるとはいえ厳しい数字」としている。

 長崎県は引っ越しが多い今年3月の転出先や転入前住所も集計。転出先は福岡県(3164人)が最多。東京都(925人)、神奈川県(695人)と続いた。就職や進学で都会に出る人が依然多いとみられる。転入前住所は福岡県(1226人)、熊本県(376人)、佐賀県(365人)の順。

 3月の長崎市の転出超過数は1452人で前年同期とほとんど変わらず「(人口流出を抑える)人口ダム機能は小さい」(長崎県政策企画課)。佐世保市は前年同期比526人減の734人と抑えられ、同課は「(陸上自衛隊相浦駐屯地に発足した)水陸機動団の影響があるのでないか」とみる。

 住民基本台帳に基づく長崎県人口は5月1日時点で134万3329人。前年同期から約1万4千人減った。長崎県政策企画課は「対策に特効薬はないが、若者の県内定着、企業誘致、移住促進などに力を注ぐ。再度市町を回り人口減の要因も分析する」としている。

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