ハウスモモ収穫ピーク 南島原・福島農園 “復興の果実”味わって

 長崎県南島原市で特産ハウスモモの収穫がピークを迎えている。JA島原雲仙管内の島原半島でJAに加入しているハウスモモ農家は26戸で県内最大の産地。うち同市は15戸と半数以上を占める。今年は冬場の気温が低かった影響で実は平年より大きい。収穫は7月まで続き、関東や関西へ計59トンの出荷を計画している。
 同市深江町の「福島農園」では、ハウス21棟(約5500平方メートル)で「ちよひめ」など3品種計約320本を栽培。福島敏郎代表(70)は雲仙・普賢岳噴火災害前は葉タバコ栽培や畜産を営んでいたが、1991年9月15日の大火砕流で自宅や牛舎が焼けた。仮設住宅で避難生活を送り、96年に自宅を再建。モモを2001年から育て、長男の慎司さん(40)らと家族で経営している。
 甘い香りが広がるハウス内では、一家が実の色づき具合を確認しながら一つずつはさみで収穫している。慎司さんは「なんとか生活を立て直してきた。復興を支援してくれた全国の人に、おいしいモモを味わってほしい」と話した。
 毎日午後1時から同5時ごろまで、福島さん宅で個人への販売もしている。電話注文での地方発送にも対応。問い合わせは福島農園(電0957・72・4178)。

モモを収穫する福島慎司さん=南島原市深江町

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