3月に長崎県立諫早農業高を卒業予定の女子生徒3人が4月、五島市富江町の養豚業「草野ファーム」に就職する。農家生まれではない女子生徒が離島の養豚業者に就農するのは珍しく、“養豚3人娘”は学んだ知識を生かして働く希望に胸を膨らませている。
3人は動物科学科3年の川口紗栄さん(18)、佐原亜実さん(18)、影平萌(もえ)さん(18)。昨春の就職に関するイベントで同社の事業内容に興味を持ち、6月には養豚現場を見学。自然豊かな土地で命を育む仕事に引かれ、就職を決意した。
9日、同社の草野喜一郎会長(80)が同校を訪れ、3人と意見交換した。草野会長は「島を出て行く若者が多い時代、高校で畜産技術を学んだ女性3人が島に来て働くのは画期的」と喜び、生産技術の向上に期待を寄せた。
影平さんは「養豚は人の命を支える大切な産業。1人暮らしは不安だが、それよりも希望が大きい」、佐原さんは「常に勉強し、新しい養豚技術を追い求めたい」、川口さんは「自然豊かな五島で『養豚が私の仕事』と胸を張れるように早く仕事を覚えたい」と意欲を語った。
県によると、2016年度の新規就農者207人のうち、養豚業就農者は4人。