障害者の雇用「仕事の効率が落ちる」 元国会議員の滋賀経団連会長が発言

滋賀県

 滋賀県内の経済6団体でつくる滋賀経済団体連合会の河本英典会長が27日、企業による障害者の雇用を求めて要請に訪れた大杉住子県副知事に対して「仕事の効率が落ちる」などと発言した。障害者が労働を通じて能力を発揮できる社会を目指す障害者雇用促進法の趣旨を否定しかねない発言で、批判を呼びそうだ。

 河本会長は大津市内で、県内企業による障害者の法定雇用率達成を求める要請書を大杉副知事から受け取った後の懇談で、「やれと言われても実際、仕事の効率が落ちる」「(国が)税金を取ってまだ企業に負担をかけるというのはおかしい」などと発言した。

 河本会長は繊維メーカー綾羽の社長で、1992年から2期12年にわたって参院議員を務め、大津商工会議所会頭など経済団体トップを歴任している。京都新聞社の取材に対し、河本会長は「行政の協力も必要との趣旨で、言葉が足りなかった。法定雇用率の数字にこだわるだけでなく、もっと労働現場で解決しなくてはならないことがあるという意味だった」と話した。

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