京都・美山の山村留学、四半世紀の歴史に幕 全国から延べ182人受け入れ

閉所式典で合唱する、小学生から30代までの元留学生たち(南丹市美山町中・旧知井小)

 京都府南丹市美山町で25年間続いた山村留学を締めくくる閉所式が3月26日、美山町中の旧知井小で開かれた。元留学生や住民など約150人が集い、都市部からの児童にとってかけがえのない思い出となり、地元の活気も生んできた事業の名残を惜しんだ。

 留学生は南丹市美山山村留学センター「四季の里」で共同生活し、旧知井小や美山小に通ってきた。京都府内唯一の取り組みで、全国の延べ182人が体験したが、学校統合や市の財政難など取り巻く環境が変化し、市が終了を決めた。

 式典には、小学生から30代の元留学生47人や四季の里に勤めた指導員、毎週1泊2日で児童を家庭に迎えた里親ら約100人が出席。運営委員長の澤田利通さん(73)は「子どもを預かる責任は重かったが、苦楽を共にした留学生や地域の支えで続けられた」と感謝を述べた。元留学生には「第二のふるさとにいつでも帰ってきてほしい」と呼びかけた。

 住民らは成長した元留学生との再会を喜び、閉式後も会場に並んだ過去の文集やアルバムを眺めながら歓談した。

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