
紙パックを丸ごとプラスチックに―。「日本一の紙のまち」と呼ばれる製紙業が盛んな愛媛県四国中央市で、産官学が連携し、紙を再生プラスチックの原料にする技術を開発した。リサイクルの“難題”とされるラミネート部分を活用。二酸化炭素(CO2)削減の選択肢を増やし、環境に配慮した新たなビジネスモデルになると意気込む。(共同通信=熊木ひと美)
開発に携わったのは、古紙から再生パルプを製造する「AIPA(アイパ)」。マーケティング部課長の神原聖史(かんばら・まさふみ)さん(46)はパルプの用途拡大を模索する中、プラスチック削減の機運に着想を得た。「パルプをプラスチックに混ぜたら一部を代替できるのでは」
だがパルプは水になじみやすく、水をはじくプラスチックとは“水と油”で混ざりにくい。そこで愛媛大や県紙産業技術センターとの共同研究に着手した。
合成樹脂を含む薬剤を使い、混ぜながら加熱し繊維を1本ずつ樹脂でコーティングする方法を考案。繊維をプラスチックと密着させることに成功、昨年には特許を申請した。
神原さんはさらに、リサイクルが難しいとされる紙パックなどのラミネート紙に着目。紙に貼られたポリエチレンのフィルムごと細かく砕き、パルプ状にしたところ、合成樹脂なしで繊維の表面処理を施すことができた。
丸ごと活用することでラミネートの焼却処分も必要なくなり「CO2の排出削減にもつながった」と自信を見せる。
紙を原料としたプラスチックは、プラスチック単体よりも強度が高いなどの利点がある。今年1月には実際に紙パックを使い、カードケースを試作した。現在は紙の配合率は約3割で、今後は半分以上に引き上げるのが目標だ。神原さんは「まずは県内で量産化を目指したい」と話した。
