偏西風蛇行、極渦が分裂 大雪分析、温暖化も影響か

気象庁

 専門家でつくる気象庁の異常気象分析検討会が18日に開かれ、今冬(昨年12月~今年2月)の気候の分析結果をまとめた。冬型の気圧配置が続き、2月に2度の寒波で日本海側の広い範囲を中心に大雪となったのは、偏西風が日本付近で南に蛇行し、北極付近の寒気を伴った大規模な低気圧「極渦」が分裂して南下したことなどが要因としている。

 気象庁気象研究所などの合同研究チームが2月上旬の日本海側と北海道十勝地方の大雪を速報的に分析した結果、地球温暖化による海面水温上昇などで大気中の水蒸気量が増え、気温が低い地域では降雪量の増加につながっていたという。

 温暖化に伴い平均的な降雪や積雪の量が減ったとしても、今後も強い寒気が流れ込んだ時は大雪となる恐れがあるとして、検討会会長の中村尚・東大教授は「温暖化は当面は進む。備えなければいけない」と述べた。

 気象庁によると、太平洋熱帯域がラニーニャ現象に近い状況で推移したことなども、偏西風の蛇行に影響したとみられる。

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