札幌延伸開業、2038年度末 北海道新幹線、目標から8年遅れ

北海道新幹線の延伸ルート

 国土交通省の有識者会議は14日、北海道新幹線の延伸区間、新函館北斗―札幌が開業するのは2038年度末ごろになるとの報告書を公表した。工事の難航で、現行目標の30年度末から8年遅れる。地質が不安定な区間が新たに見つかるなどした場合は、さらに遅れる可能性があるとも指摘した。沿線のまちづくりに大きく影響しそうだ。

 延伸区間はトンネルが約8割を占める。報告書は、貫通にめどが立つ3~5年後に工事の状況を確認し、改めて開業時期を検討するよう国交省に提言した。このため国として正式な開業目標時期を設定するのは数年後になる。建設費は22年試算の約2兆3千億円から膨らむ恐れがある。

 有識者会議は昨年5月から、延伸区間の新たな開業時期を検討してきた。建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構が同月、地中の巨岩によるトンネル掘削の難しさや建設業界の人手不足などを理由に、30年度末開業が「困難」と表明したのが発端だった。

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