
戦国時代の武将、真田氏が拠点を置いた群馬県東吾妻町が、同氏に仕えた「真田忍者」を観光資源に盛り上げようと、ゆかりの地としてPRを強化している。2024年は、真田忍者の里をうたう隣の中之条町と研究者が集まる国際忍者学会を誘致し、修行体験ツアーも開催した。関係者は「特別な体験を提供し、観光客を呼び込む」と期待する。
25年2月下旬、東吾妻町の「岩櫃真田忍者ミュージアム」では、子どもたちが手裏剣投げに挑み、的に命中すると「やった!」と歓声が上がった。両親と立ち寄った秋田県大仙市の保育園児大久保蓮ちゃん(6)は「難しかったけど楽しかった」と笑顔だった。
真田氏ゆかりの岩櫃城があった東吾妻町と隣接する中之条町には、忍者に関する史跡や記録が残っている。中之条町歴史と民俗の博物館「ミュゼ」によると、山で修行しながら農民生活に溶け込んだ山伏や、新興武士の地侍が多かった。情報活動や馬の盗みを得意とし、敵陣への放火と内部かく乱が戦いの流れを左右したことが伝わる。