
【エルサレム共同】イスラム組織ハマスは3日の声明で、停戦延長を迫るイスラエルが2日にパレスチナ自治区ガザへの人道支援物資搬入を全面停止したことについて「安っぽい脅迫だ」と反発した。搬入はこれまでも予定通り進んでおらず、ガザでの人道危機が一層悪化する恐れがある。ハマスは「イスラエルに全面的な責任がある」と主張した。
1月に始まった停戦合意の第1段階は3月1日に期限となり、恒久停戦やイスラエル軍のガザ完全撤収を想定する第2段階に移るための協議は進んでいない。
イスラエルは、4月後半までの暫定的な停戦延長や人質解放の計画を定めた米政府の提案を受け入れるようハマスに迫っている。ハマスは、提案について「当初の合意に合致しない。物事をゼロに戻そうとしている」と批判した。
停戦交渉を仲介するサウジアラビアやエジプトも、人道支援を圧力の道具に利用するイスラエルを非難した。エジプトやサウジなどアラブ諸国は3月4日、エジプトの首都カイロで首脳会議を開き、ガザ復興案を協議する。