イラン核「深刻な懸念」 IAEA事務局長

3日、IAEAの定例理事会に臨むグロッシ事務局長=ウィーン(共同)

 【ウィーン共同】国際原子力機関(IAEA)の定例理事会が3日、ウィーンで始まった。グロッシ事務局長は冒頭演説で、イランが高濃縮ウランの生産を加速させているとして「イランは(ウランを)このレベルまで濃縮させている唯一の非核保有国だ。深刻な懸念を抱いている」と危機感を示した。理事会は7日までの予定。

 IAEAの2月の報告書によると、イランは濃縮度を60%に高めたウランの貯蔵量を推定274.8キロまで増加させた。60%の水準は核兵器級の90%に接近する重大なイラン核合意違反に当たる。濃縮度60%のウラン貯蔵量は昨年11月の報告書から約1.5倍となっていた。

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