ウクライナを韓国軍と信じて戦闘 ロシア派遣の北朝鮮兵捕虜が証言

ウクライナのゼレンスキー大統領がXに投稿した、捕虜となった北朝鮮兵士とみられる男性(画像の一部を加工しています)

 【ソウル共同】韓国大手紙の朝鮮日報は19日、ロシアに派遣され、ウクライナの捕虜になった北朝鮮兵2人のインタビューを報じた。2人は部隊に配置された北朝鮮の監視要員から「ウクライナ軍の無人機の操縦士は韓国軍兵士だ」と聞かされていたと証言した。韓国軍だと信じて戦ったという。同紙は、北朝鮮兵の士気を高めるための偽情報だったと伝えた。

 2人は情報機関の偵察総局に所属し、昨年10~11月にロシア西部クルスク州に派兵された。実戦経験はなく、必死に訓練したという。ロシア兵と会話する機会はほとんどなかったが、意思疎通にはスマートフォンの翻訳機能を使った。

 平壌出身の捕虜の一人(26)は、1月に戦闘に参加した。無人機による犠牲が多く、先に前線投入された部隊は全滅。ロシア軍は支援砲撃をほとんどせず「無謀な犠牲を強いられた」と話した。対無人機の戦闘訓練はしておらず、自身の中隊の同期も全員失った。

 捕虜になることは裏切りとみなされるため「手りゅう弾があれば自爆していたかもしれない」と明かした。

ウクライナ軍拠点に突撃した北朝鮮兵士を上空から撮影したとする映像の一場面(撮影日時と場所は不明)(ゼレンスキー大統領のXから・共同)

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